死ぬまでに聴くべきロックの名盤:フランク・ザッパ / HOT RATS (1969)
Label: bizarre/Reprise
Producer: Frank Zappa
Art Direction: Cal Schenkel
Running Time:47:05
奇才フランク・ザッパってどんな人?
多芸多才のザッパ
アメリカのシンガーソングライター、ギタリストで、アメリカ国家に対してモノ言うギタリストでした。70年代80年代、ニクソン、レーガン大統領には、激しく嫌悪感を示し、反権力の人物でした。自身はキリスト原理主義者で、後に無宗教となっていきます。生涯60ものアルバムを発表。いろんなバンド形態での音楽活動を試みたザッパ。
音楽と真摯に向き合ったザッパ
ザッパの音楽は、複雑な構成のものが多い。ザッパは、新しい物を取り入れていく柔軟性と革新性のあるミュージシャンで、ジャンルやカテゴライズされることを嫌う自由人です。聴く時代によって様々なザッパの音楽を聴くことが出来ます。それでも、作曲と演奏にはこだわりがあり、気分によりアレンジを加えたり、バンドメンバーには、対応力が求められた。
生涯にわたって数多くの曲を残していて、ザッパの死後も遺族によって、リリースされ続けている。
ギタリストに徹したフランク・ザッパ「HOT RATS」
フランク・ザッパの創造活動
『HOT RATS / ホット・ラッツ』は、一般的に「フランク・ザッパによるジャズ・ロック」と捉えられています。前作の”マザーズ・オブ・インヴェンション”とは違い、フランク・ザッパ自身のソロ・アルバムとして制作されました。
そして、ザッパのヴォーカルがほとんどなく、ザッパがギタリストに徹しています。イアン・アンダーウッドのキーボードをはじめ、サックス、クラリネット、フルートなども演奏し、なかでもサックスの演奏が際立っています。こんなバンド・メンバーの要素ともフランク・ザッパのギターが見事に絡み、「ザッパ流ジャズ・ロック」と言われています。
フランク・ザッパのロック・シンフォニー
「ジャズ・ロック」と言われるものの、実際にはジャズ的要素はほとんどありません。ロック・ギタリストとしてのザッパの音楽に向かっていくストレートな印象を受けます。「ザッパ流ロック・シンフォニー」と言った方がしっくりくるかもしれません。ヴォーカルがほとんどない曲だけに、ザッパのギターが縦横無尽に暴れまくってる印象。それで心地良さを感じます。
多くが即興演奏
卓越した演奏
このアルバムで特に評価の高いのが1曲目の「Peaches en Regalia」です。ありきたりですが、かっこいい!です。これほど気持ちいい音楽はなかなかありません。
Peaches en Regalia
A面最初の3曲がいい感じ
とくに最初の3曲がすばらしいです。アンダーウッドが繰り出すサウンドの数々の効果音とザッパのギターが冴える。2曲目は、キャプテン・ビーフマークが吠え、バイオリンとギターの音が気持ちいい。
3曲目は、サックスが全面に出ているスローテンポのジャズ。この曲を書いたザッパの人間性が表れている曲です。
Son of Mr. Green Genes
“The Very idea! An instrumental album, except for one vocal cut- and that had to feature Captain Beefheart!…Why are you wasting America’s precious time with this, you asshole!” Frank Zappa. 1989
Track Listing | ||
---|---|---|
01 | Peaches en Regalia | 3:37 |
02 | Willie the Pimp | 9:16 |
03 | Son of Mr. Green Genes | 8:58 |
04 | Little Umbrellas | 3:04 |
05 | The Gumbo Variations | 16:55 |
06 | It Must Be a Camel | 5:15 |
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