死ぬまでに聴くべきアルバム:The Beatles ビートルズ / Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (1967)

The Beatles ビートルズ / Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (1967)

Label Parlophone
Producer George Martin
Art Direction Peter Blake
Nationality UK
Running Time 39 : 50


史上初のトータル・コンセプト・アルバム:サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

ビートルズのサイケデリック・アルバム

すでに発表されて50年以上経つが、今でも新鮮さを失わない不思議なアルバム。”知ってる様で知らない。知らない様で知っている” そんなデジャブに似た体験をする。

このアルバムを一言でいうと、ビートルズが、サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドという架空のバンドを演じ、アルバムの中に物語を吹き込んだそんなコンセプト・アルバムです。ただその完成度の高さと革新性が今でも新鮮さを失わないアルバムにしています。

1967年にワープしてみると、世の中はサイケデリックに魅了された時代。ビートルズのファンたちは、「Rubber Soul / ラバー・ソウル」と「Revolver / リボルバー」で彼らが音歩を模索している期間を耐え抜き、音楽的ファンタジーによって、報われようとしていたのかもしれません。

「Revolver」と「Sgt.Pepper」の間のギャップを橋渡しする、酔いをもよおすようなシングル「Strawberry Fields Forever」がないにも関わらず、このアルバムはサイケデリックな要素を具現化しています。


サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドの音楽性

バロック調のチェンバー・サウンドや装飾を極めたサイケデリック感に溢れていて、イメージは覚醒と酩酊の狭間を彷徨いながら曲間無しで展開していく。アバンギャルドには決してならずに、あくまでも最新型のポップスとしての、基準を保ったところが、ビートルズの偉大なところだろう。

追記:バロック調なチェンバー・サウンドは、ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』の影響と思われます。

『サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の本質的な魅力は、このような装飾過多や演出過剰の中から浮かび上がってくる生身のビートルズの歌と演奏です。アルバムを通して、ビートルズ4人の一体感と演奏の躍動を他のアルバムより感じる。

サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド曲の展開

 

1曲目の「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」から様々なようが盛り込まれています。


Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band

 

 

4曲目の「ゲッティング・ベター」の斬新なベース・フレーズは、神懸かっていると言ってもいい。


Getting Better (Remastered 2009)




たとえば東洋哲学(がジョージ・ハリスンの「within You without You」でみられ)、また麻薬をほのめかす要素もあり、(ジョン・レノンは「Lucy」がLSDを含意するというのを否定したが、ポール・マッカートニーは「Fixing A Hole」で認めている)。


Within You Without You (Remastered 2009)

 

ジミー・ヘンドリックスが、このアルバムの発売日から二日後にライブで公演した様子が、映画のワンシーンより。

ポール・マッカートニーの奮起させるようなオープニングから(Jimi Hendrixはリリースから2日後にライブで演奏した)、ジョン・レノンの万華鏡のような(変幻自在の)「Lucy In The Sky With Diamonds」を経て、共作の名作、「A Day ln The Life」まで、すべてが宝石のようである。

 

最大のクライマックスは、やはり「 A Day In The Life」だ。「Strawberry Fields Forever」も同様だが、加工されたジョン・レノンの声により強くジョン・レノンを感じる。


The Beatles – A Day In The Life



「サージェント・ペッパーズ」の世の中の評価

「Sgt.Pepper」のカバーのポップアートは、もっとも有名なデザイナーが描き、認められた。

このアルバムが与えた影響は前代未聞だった。米国のラジオ局は数日に渡ってこれを流し続け、Times(英国新聞)の評論家Kenneth Tynanはこれを、西洋文明の歴史における決定的瞬間だ、と言った。

そうした誇張表現は遠い過去の話になったが、現在でも野望とメロディーが共に渦巻く、永久不滅の完璧なポツプスが残っている。

「Sgt.Pepper/ サージェント・ペッパー」は15週連続で米国ビルボードのトップを達成し、半年後に「Magical Mystery Tour / マジカル・ミステリー・ツアー」が1位になったときもまだトップ5内にあった。

Track Listing
01 Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band 2:02
02 With A Little Help From My Friends 2:44
03 Lucy In The Sky With Diamonds 3:29
04 Getting Better 2:48
05 Fixing A Hole 2:36
06 She’s Leaving Home 3:35
07 Being For The Benefit Of Mr. Kite! 2:37
08 Within You Without You 5:06
09 When I’m Sixty-Four 2:37
10 Lovely Rita 2:42
11 Good Morning Good Morning 2:42
12 Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise) 1:19
13 A Day In The Life 5:33

 

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド<通常盤>

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【LPレコード】
Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band Anniversary Edition





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