死ぬまでに聴くべきアルバム:Bob Dylan ボブ・ディラン / The Freewheelin’ 「風に吹かれて」(1963)


Label : Columbia
Producer : John Hammond
Art Direction : Uncredited
Nationality : USA
Running Time : 50:04

ボブ・ディラン初期の名盤アルバム

1962年4月からほぼ1年かけて制作録音された2作目。冬のニューヨークのウエスト4thストリートを恋人だったスーズと腕を組んで歩いている、まだ少年顔のディランの笑顔がなんとも印象的でとてもいいジャケットで、ボブ・ディランをよく知らない人でも、なんとなく見た事あるアルバム・ジャケットではないでしょうか。

彼女のスーズは、当時フォーク・ミュージック研究科で有名だったアラン・ロウマックスのところで働いていたカーラ・ロトロの妹です。当時ニューヨークのフォーク界は狭かったもしれませんね。

1963年のファースト・アルバムでは、カヴァー曲が多かったが、このセカンド・アルバムでは、曲作りに目覚め、次々に書き上げ63年7月にリリースされたのが、このセカンド・アルバムです。ほとんどがボブ・ディラン自作曲で構成されており、このアルバムが本当の意味で彼のファースト・アルバムとも言える。

“I never wanted to be a prophet or a savior. ”  Bob Dylan, 2004

ボブ・ディランの出世作「風に吹かれて」

このアルバムのA面1曲目(当時はレコードなので)「Blowin’ In The Wind / 風に吹かれて」は、シングル・カットされたが、実は、ヒットしたのは、ピーター・ポール&マリー、キングストン・トリオ、チャド・ミッチェル・トリオ等のカバーが世界的ヒットになり、作曲者のボブ・ディランの名を一躍有名にしました。そして、アメリカ中をフォーク・ブームにした曲と言ってもいい名曲です。アメリカでは公民権運動のテーマソング的存在になっていきます。

白人ブルース・シンガーからプロテスト・シンガーと変貌し、現在まで多く歌い継がれる名作を生み出したアルバムです。

 

 

アルバムリリース当時、ボブ・ディラン21歳。

ちょっと驚きます。21歳の若さでこの大傑作のアルバムを作ったんですね。

「A Hard Rain’s A-Gonna Fall / はげしい雨が降る」は、このアルバムの中でも大作のひとつとも言えます。発売当初は、「今日も冷たいが」という邦題が付けられていました。63年当時、アメリカではキューバ危機の時代で、放射能の雨を歌ったものとか、様々な解釈がされていましたが、後にボブ・ディランは、これを否定しています。

多くのアーティストにもカバーされてきました。最近では、ノーベル賞の式に欠席したボブ・ディランの代わりにパティ・スミスが会場でこの曲を歌ってました。

 

「Bob Dylan’s Dream / ボブ・ディランの夢」は、イギリスに旅行した時に覚えたバラード「ロード・フランクリン」のメロディーを借りて、オスカー・ブラウン・ジュニアとヴィレッジで一晩中語り明かした時にイメージしたという話。フラット・ピックのシンプルなギター奏法は、伝統的なフォーク・ギターの奏法で、この曲で際立った音楽効果を上げています。後のサード・アルバムでもこのシンプルな奏法を徹底的にボブ・ディランは使っています。

 

アルバムの評価

全英チャート1位。アメリカではビルボードで最高22位。ビートルズ、特にジョン・レノンは、このアルバムに夢中になって聴きまくったと後に述べています。70年代になって、レコード協会より、ゴールド・ディスクを受賞。90年代なってプラチナ・ディスクに認定されています。

 

Track Listing
01 Blowin’ In The Wind 2:49
02 Girl From The North Country 3:22
03 Masters Of War 4:34
04 Down The Highway 3:27
05 Bob Dylan’s Blues 2:23
06 A hard Rain’ A-Ganna Fall 6:55
07 Don’t Think Twice, It’s All right 3:40
08 Bob Dylan’s Dream 5:03
09 Oxford Town 1:50
10 Talking World War 3 Blues 6:28
11 Corrina Corrina 2:44
12 Honey, Just Allow Me One More Chance 2:01
12 I Shall Be Free 4:49

スティーブ・ジョブズが、アップルを離れていた頃に、よくボブ・ディランを聴いていたとの回顧録を読んだことがあります。僕もひとりで車を運転する時なんかに、聴いています。なんとなく勇気がもらえるそんなアルバムです。

ボブ・ディランは、その歌詞に高い評価をされています。前のノーベル賞の受賞も文学賞でした。英語が母国語でない日本人には、その歌詞のすごさが伝わりにくいところがありますが、イギリス人でブロード・キャスターのピーター・バラカンさんのこのアルバムに対しての批評です。

しかし僕にとっては、これもまた大きなショックを与えるものだった。まず男女関係以外のテーマで書かれた歌を聴くのが初めてだった。「風に吹かれて」あたりは、13歳でも十分に理解できる内容だった。<中略>

「はげしい雨が降る」という7分近くもある歌では、聴き手の想像力を次から次へと引っ張っていく描写を展開し、人類が進もうとしている自滅への道の行方について、ポエトリーの力を感じさせるすごい作品を作り出している。

引用:『ぼくが愛するロック名盤240』 ピーター・バラカン

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