BECKの名曲『Loser』の秘密

今年のフジロックに登場したBeck。1993年、インディーズ・レーベルでアルバム『Golden Feelings』でデビュー。翌年、メジャー・デビュー作『Mellow Gold』をリリースする。その1曲目である『Loser』が大ヒットし、一気にBeckの知名度を上げた。

BECK LOSER
曲を聴いてみると、オルタナティブ・ロック、ヒップ・ホップ、ブルース、フォークを融合させた何とも深い曲だということが分かる。しかし、曲に一貫して流れているのは、陰鬱な弱々しい雰囲気である。サビの「I’m a loser baby so why don’t you kill me?」という毒々しいコーラスが印象に残る。

 

なぜ、このような独特の名曲が生まれることになったのか? 話は1980年代に遡る。当時、Beckはニューヨークでホームレスのミュージシャンだった。そんな中、地獄のような日々を送っていたBeckによって誕生したのが『Loser』だった。

 



Karl Stephensonの家を訪れていたときに、この『Loser』はレコーディングされた。Beckは自身のラップを録音した音源を聴き、そのあまりのクオリティの低さに「俺は最低のラッパーだ。殺してくれ」と思ったという。これがサビの「I’m a loser so why don’t you kill me?」というフレーズにつながったのだと言われている。

 

オリジナルの曲は、現在の曲よりもさらに陰鬱な自虐や皮肉を込めた局に仕上がっていたらしい。アレンジされた生み出された曲は、その後、オルタナティブ・ロックにおける自嘲的雰囲気を伴った楽曲として、Nirvanaの『Smells like team spirit』やRadioheadの『Creep』と並んで語られる名曲となった。だが、NirvanaやRadioheadの曲が否定的に語られる一方で、この『Loser』はBeckの「ブレイクのきっかけ」として祀られ、Beck自身も気に入り、現在も語り継がれている。

 

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