死ぬまでに聴くべきアルバム:Marvin Gaye マーヴィン・ゲイ / What’s Going On(1971)

Marvin Gaye マーヴィン・ゲイ / What’s Going On (1971)

Label / Tamla
Producer / Marvin Gaye
Art Direction / Curtis McNair
Nationality USA
Running Time 33 : 46


サウンド・クリエーター「マーヴィン・ゲイ」の誕生

2年間のブランクの後、『ホワッツ・ゴーイング・オン』で復活したマーヴィン・ゲイは”サウンド・クリエーター”になっていた。今までのように、用意された素材を歌うのでなく、ソングライターまたプロデューサーとして自己主張するアーティストととしての自立をした。

70年代の花開いたマーヴィン・ゲイの”音”とは何だったんだろうか?アルバム全体を組曲と考えたようだ。70年代には、コンセプトアルバムのようなスタイルが増えて来ていた。

またマーヴィンは、ハーモニーとメロディを重ねて多重録音も利用。自身の3種の声(甘いテナー、熱いシャウト、ファルセット)それに4番目の声としてのサックス、ブラス。をうまく重ね、滑らかで厚みのある音を作り上げた。リズムもパーカッションの多用で複雑化した。

これは、単純のR&Bではなく、ゴスペル、ドゥーワップ、ジャズ、でもあり、これほどのミクスチャーは、マイルス・デイビス、ジェームス・ブラウンぐらいだろう。



マーヴィン・ゲイには珍しい時事問題がテーマ

これまでのマーヴィンの作品は、愛を語るのがほとんどだったが、このアルバム「What’s Going On / ホワッツ・ゴーイング・オン」では、珍しくベトナム戦争、キング牧師暗殺、公害など、時事問題を中心で、全体的に落ち着いた音作りだ。このアルバムは、とくにマーヴィンの精神性の現れた作品になった。悩める天才が自身の苦しみを声明に変えた正に永遠の名作。

 


Marvin Gaye – What’s Going On

代表曲「What’s Going On / ワッツ・ゴーイング・オン」の評価

ジャズっぽいリズム、バックの喋り声のコラージュ、力みのないマーヴィン・ゲイのリード・ヴォーカル、マーヴィン自身が各パートをこなしたバック・コーラス、後のストリングス、フルートのソロ。今までとは全く違うサウンドだ。

共作者のオービー・ベンソンは、サンフランシスコで反戦運動をしていた若者と警察との衝突を目撃して歌詞を書いていた。マーヴィンは、ベトナム出征していた弟からの手紙に影響を受けたと後に語っている。

ポップ・チャートの全体で6位、R&Bアルバムチャートでは、9週連続1位とヒット。マーヴィンが、父親に射殺された1984年の後に、再度チャートインを果たしている。いまでも多くのアーティストにカヴァーされてる、名曲中の名曲だ。

 

Track Listing
01 What’s Going On 3:53
02 What’s Happening Brother 2:43
03 Flyin’ High 3:50
04 Save The Children 4:03
05 God Is Love 1:42
06 Mercy Mercy Me 3:16
07 Right On 7:32
08 Wholy Holy 3:08
09 Inner City Blues 5:39

 

“We’ve Got to find the lord…what other wepons have we to fight the forces of hatred and evil?”
Marvin Gaye,1971

【関連記事】

●1971年:ロックの名盤一覧はコチラ>>>

●死ぬまでに聴くべき 1001アルバム

●Derek And The Dominos デリック・アンド・ザ・ドミノズ/ Layla And Other Assorted Love Songs(いとしのレイラ) (1970)

 





LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です