ハード・ロック最高のバンドのひとつLED ZEPPELIN レッド・ツェッペリンは、1968年にジミー・ペイジ(ギター)、ロバート・プロント(ヴォーカル)、ジョン・ポール・ジョーンズ(ベース、キーボード)、ジョン・ボーナム(ドラム)によって結成された。
レッド・ツェッペリンのサードアルバム A面1曲目「移民の歌」
レッド・ツェッペリンが残した名曲のひとつ「移民の歌」は、1970年10月に発表されたサード・アルバム「LED ZEPPELIN Ⅲ」A面1曲目に収録されている。現在では、ロックの名盤として数えられているこのアルバム、実は発表当時、かなりの酷評に見舞われている。
アルバムそのものは、期待感からも予約だけで70万枚も売れていたのだ。
このアルバムのほとんどが、ハンプシャーの田舎の家でレコーディングされている。また4枚目のアルバム収録曲「天国への階段」もほぼここで出来たとされる。
この頃、ちょうど1年ほど前に発表したセカンド・アルバム「LED ZEPPELIN Ⅱ」が、アメリカで200万枚、ヨーロッパで100万枚のセールスに達し、『メロディ・メーカー』紙の70年度ポップ・ポールでは、6年間王座を保ってきたあのビートルズを蹴落とし、国際部門、国内部門ともにトップに輝いていた。この状況下でのサード・アルバムのリリースだったので、アメリカだけでも70万枚の予約販売がされていて、発表されるや否や2週間でトップに輝いたのだが、、。
発表後のファンや評論家からの反応は、不満だらけとなっていた。
”クロスビー・スティルズ&ナッシュの下手なコピー”
”中身のない はったり”
”またまた黒人ブルースマンからの盗作”
”彼等はやる気を失った” ディスク&ミュージック・エコー紙
といった酷評がほとんどで、おまけに解散説や、ドラッグ中毒説なども飛びかっていたようだ。
ジミー・ペイジは、今までのなかで最高傑作と信じていたので、一部の酷評は本当にショックだったようだ。
アーティストや、バンドが3作目以降に挑戦する新たな試みは、ファンからすると裏切り行為に映る事がある。まさにそれだ。しかしこの酷評の加減から見ると、ツェッペリンに対するハード・ロックへの期待は、相当なものだったのだろう。実際、このサード・アルバムのB面は、大幅にアコースティック・サウンドが展開されている。日本でも、前作の延長戦上のヘヴィ・サウンドを期待して、肩透かしを喰ったと感じたファンも多かったようだ。アルバムがチャート内にとどまったのは、最初の5枚の中では、最短の31週となった。
「移民の歌」はイギリスでは、シングル・カットされなかった。
「Immigrant Song / 移民の歌」は、アメリカでシングル・カットされたが、ビルボードでは最高16位止まり。従来のツェッペリンのイメージの延長上にある作品で、”Whole Lotta Love” 続編を狙ったナンバーと言えないこともないが、それまで男女間のラヴやセックスを意図的に歌ってきたプラントが、そのごの彼の歌詞作りの主要なモチーフとなる、イギリスの古代史やケルト人の物語からアイデアを得た、侵入者のバイキングに雄たけび、、といった内容をここでは書いている。空に突き刺さるプラントのシャウトと、たたみかけるリフがカッコ良い曲だ。
ちなみに日本では、シングルカットされた。
ドイツのハードロックバンド ルシファーズ・フレンドの「Ride The Sky」が「移民の歌」に酷似しており、ルシファーズ・フレンドの盗用が疑われたが、彼らの方が、レッド・ツェッペリンより前にライブ演奏していた。
その後も主要なメディアとの折り合いもつかず、1972年の大規模な全米ツアーでは、同時期にツアーをしたローリング・ストーンズとは対照的な扱いを受け、マスコミからは黙殺された。しかし、レッド・ツェッペリンは、これで終わらず、4枚目のアルバム「LED ZEPPELIN Ⅳ」をリリース。このアルバムに収録されている「天国への階段」は、彼等のすべての要素が入っている作品として人気が高く、1970年代のロック・クラシックのひとつとされている。
4枚目のアルバム「LED ZEPPELIN Ⅳ」も名盤だ。またの機会に改めて記事にしたい。
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